プロトタイピング
Claude Code を使って、Webサイトを作る場合、従来のようなウォーターフォール(作業を順番に実行し、後戻りしない作り方)ではなく、プロトタイピングを繰り返す、新しい作り方をするべきです。
プロトタイピングの目的
プロトタイピングアプローチには、以下のような明確な目的があります。
- 全体の構成を素早く確認 - 細部にこだわる前に、サイト全体の流れや構造を確認できます
- デザインの方向性を確定 - 実際の画面を見ながら、早い段階でデザインの方向性を決められます
- 課題の早期発見 - 問題点を早めに見つけて、修正コストを最小限に抑えます
- 8割完成で、さっさとリリースする - 完璧を目指さず、実用レベルで公開して改善を重ねます
- 現実的で、実利的、実践的 - 理想論ではなく、実際に使えるWebサイトを素早く作ります
従来の「完璧を目指してから公開」という考え方から、「まず公開して改善」というアジャイルな考え方への転換が重要です。
プロトタイピングの根本的な考え方
プロトタイピングを成功させる鍵は、適切な情報提供と信頼です。
あなたがすべきこと
たっぷりと「あなたのコンテンツに関する情報(コンテキスト)」を与えて、他はClaude Codeに任せ切りましょう。
あなたの役割は:
- ビジネスの内容や目的を伝える
- ターゲット顧客について説明する
- 実現したい目標を明確にする
- こだわりたいポイントがあれば指示する
Claude Code に任せるもの
以下のような技術的・クリエイティブな部分は、Claude Codeに任せることができます:
- コーディング - HTML、CSS、Javascriptの実装
- コンテンツ構成 - セクションの構成、順番、レイアウト
- コンテンツ内容 - セクション毎の文章やメッセージ
- 顧客目線での文章、見せ方 - ユーザー体験を考慮した表現
- デザイン、スタイル - 色選び、フォント選び、視覚的な見せ方
重要なポイント: まずは、ほとんどを任せてみて、こだわりがある所だけ細かく指示しましょう。最初から細かく指定しすぎると、かえって時間がかかります。
コンテンツを与える方法
以下のテンプレートを使って、あなたのビジネスに関する情報を整理しましょう。全部埋められなくてもOKです。その場合は、Claude Codeにお願いしてしまいましょう。
プロンプトテンプレート
「ここにあなたの屋号や、ビジネス名」についてのWebサイトを作ってください。
内容や、作成方針については、以下の情報を参考にしてください。
## (ここに屋号やビジネス名)について
- 箇条書きで、あなたのビジネスについての説明をする
- ミッションは何か、ビジョンは何か?
- 顧客は誰か(ターゲット層、ペルソナ)
- あなたは、どんな人なのか(強み、卓越性、専門性など)
- 他社との違いや、独自の価値は何か
## Webサイトの目的
- 顧客に、どうしてもらいたいのか?(問い合わせ、購入、資料請求など)
- このWebサイトにアクセスする顧客の導線は?(検索、SNS、広告など)
- Webサイトの役割(ブランディング、集客、販売など)
## コンテンツについて
- 入れて欲しいコンテンツについて書く
- サービス紹介、料金、事例、プロフィールなど
- 順不同で良い
- 案内するなら、どんなプロダクトがあって、それぞれのもののURLなどを記載する
- 既存の資料やテキストがあれば、そのまま貼り付けてOK
## あなたに依頼したいこと
- Webページを完成させてほしい
- 上記の内容を踏まえて、カラーリングや、見せ方、雰囲気は、あなたが決定してほしい
(もし、要望がはっきりあれば具体的に伝える:例「信頼感のあるブルー系」「温かみのあるオレンジ系」など)
- コンテンツは、顧客目線で書いて欲しい
- レスポンシブ対応(スマホ・タブレット・PC対応)で作ってほしい使い方のコツ
最初から全ての項目を完璧に埋める必要はありません。分かる範囲で記入し、不明な部分はClaude Codeに提案してもらいましょう。
抽象的な表現より、具体的な事例や数字、実績などを記載すると、より良いコンテンツが生成されます。
会社案内、パンフレット、既存Webサイトの文章などがあれば、そのまま貼り付けてOKです。
プロトタイピングの実践フロー
実際にプロトタイピングを進める際の流れを説明します。
Step 1: 情報提供
上記のテンプレートを使って、Claude Codeに情報を提供します。
Step 2: 初回プロトタイプの生成
Claude Codeが最初のプロトタイプを作成します。この段階では完璧でなくてOKです。
Step 3: レビューとフィードバック
生成されたプロトタイプを確認し、気になる点をフィードバックします:
- ヒーローセクションの画像をもっと明るいものに変更してほしい
- サービス紹介セクションを、料金セクションの前に移動してほしい
- お問い合わせボタンをもっと目立つ色にしてほしいStep 4: 改善と反復
フィードバックを基に、Claude Codeが改善を行います。この改善サイクルを2〜3回繰り返します。
Step 5: 公開と継続的改善
8割程度完成したら、まず公開します。その後、実際のユーザーの反応を見ながら改善を続けます。
注意: 完璧を目指して公開を遅らせるより、早めに公開して実際のフィードバックを得る方が、最終的により良いWebサイトになります。
プロトタイピングのメリット
時間とコストの削減
- 従来の方法: 設計→開発→テスト→修正(数週間〜数ヶ月)
- プロトタイピング: 作成→確認→改善(数時間〜数日)
リスクの最小化
- 早い段階で問題点を発見・修正できる
- 大きな手戻りを防げる
- 実際の反応を見てから本格的な改善ができる
より良い成果物
- 実際の画面を見ながら判断できる
- ユーザー視点での改善が可能
- 柔軟な変更対応が可能
まとめ
Claude Codeを使ったプロトタイピングは、情報提供と信頼が鍵です。
- あなたのビジネスに関する情報をしっかり提供する
- 技術的・クリエイティブな部分はClaude Codeに任せる
- 完璧を目指さず、8割完成で公開する
- 実際のフィードバックを基に改善を続ける
この新しい作り方を実践することで、従来より速く、低コストで、より良いWebサイトを作ることができます。